トルコ
（トルコ編では、同行のＪさん、Ｊｎさん、Ｓさん撮影の画像も使用させていただいてます。）

１日目（成田～タシケント経由イスタンブール）
今回はトルコ１５日間。今まで経験した海外旅行の中では最長の日数。キャンセル待ちで申し込んでおいたが、つい先日トルコでツアーバスが転覆し、日本人観光客が死亡する事故が発生したためか、四国旅行中の携帯電話にツアー会社から参加ＯＫの電話があり、空きがでた洞窟ホテルのコースに申し込みしたもの。
添乗はベテランの清水さん。なんでもイタリア在住の変わり種。３８人のうるさい客を先導するのだから、これくらいのパワーが必要という典型的なテキパキ女性。空港での説明もそつがない。出国審査の長い列をクリアして定刻より遅れてウズベキスタン航空に搭乗、関空でトランジットのため一旦飛行機を降ろされ、再度の手荷物検査。その際へなおじさんは自分の鞄を検査場に置き忘れ。あとで気づいて探しにいくと、ありましたよ。日本で良かった。これがイタリアならもう鞄はありませんよね。ほっと一息して１３：００関空からウズベキスタンのタシケントに向け離陸。

ウズベキスタンウズベキスタン共和国。面積は日本よりやや広いが、人口は日本の４分の１。ソ連邦に属していたが独立、共和制の国になった。シルクロードの重要地点で多くの民族が興亡を繰り広げたが、今は国の名のとおり、ウズベキ人が大半を占める。国としてのインフラの整備はこれからで、国や国民を治める基本ともいえる法律整備から進めなければならず、名古屋大学などもウズベキスタン政府に協力しているという。首都のタシケントの空港でトランジットしたが、旧ソ連製の多数の古い航空機が飛行場に放置されていたり、暗い待合室の鍵を開けるのが客が到着してからしばらくしてからだったり、時間がくると鍵を閉めてしまったりと、サービスという概念は旧共産主義の時代から進歩はしていない。多くのヨーロッパ系のキャリアに比べると、ウズベキスタン航空の価格が圧倒的に安いために、格安ツアーで組み込まれることが多い。タシケント到着時に急降下して滑走路で大きくバウンドしたが、添乗の清水さんの「着陸は雑ですけど、いままで大きな事故はありませんから、皆さんご安心ください」との弁にウズベキスタンのすべてのことが凝縮されているような気がしてくるから不思議。

トルコトルコ共和国。言語はトルコ語。大半の国民はイスラム教徒であるが、宗教と政治が分離されていること、４人の妻帯などはむしろ法律で禁止されていること、女性が顔を隠すこともコンヤなどの敬虔な宗教都市以外ではみられないこと、などから、モスクのミナレットからアザーンの声などが聞こえてくるものの旅行者に宗教上のストレスは感じられない。通貨はトルコリラとクルシュという補助通貨。２００５年１月１日から１００万分の１のデノミが実施されたので、チャイ１杯で５千万リラなどという天文学的なやりとりは昔の話になった。黒海をはさんでロシアと相対するために両国間には紛争の歴史があり、日露戦争で大国ロシアに勝利した日本には親近感をもつ国民も多い。第２次大戦後にＮＡＴＯに参加したため、ＮＡＴＯ軍として韓国軍とともに各地の紛争に参加したこともあって、韓国とも良好な関係を築いている。また、ＥＵ加盟を希望してイギリスやドイツなどに反対されているが、加盟が認められれば、はじめてのイスラームの国となる。ドイツなどを中心に多くのトルコ人が出稼ぎにでたり、ＥＵ諸国の観光客などの行き来が頻繁で、すでに一部の商店ではユーロも使えるが、最近ではトルコ国民の間でも無理して加盟しなくても差し支えないという意見も多くなってきたという。ギョズレメ、ピデ、キョフテ、ケバブ、エキメッキなどトルコの食べ物は日本人にも好まれ、海外ツアーの中でも食事の人気はベトナムツアーと並んでトップを争うという。


アタチュルク本名ムスタファ・ケマル（１８８１－１９３８）。アタはトルコ語で父、チュルクはトルコつまり「トルコの父」といえばまさにこの人を指す。第一次世界大戦の司令官として活躍後、戦後連合国に割拠された国土を回復、スルタン制のオスマントルコ帝国を廃して共和制の国家をうちたてた。他のイスラム諸国とは異なり、ムスタファは政治と宗教の分離、スルタン制の廃止、トルコ語のアルファベット表記、４人の妻帯の禁止などの政治改革、宗教改革を次々と推し進め、近代トルコの礎を築いた。トルコリラの表をかざるのはすべてアタチュルクである。


トロイ１９世紀の後半ドイツ人シュリーマンが、紀元前８００年頃成立したギリシャのホメロス作の叙事詩「イーリアス」のトロイの木馬の記述は単なる創作ではなく、事実であると確信し、自費で発掘して場所を同定した。トロイ戦争は紀元前１２００年頃の話であるが、トロイの遺跡は紀元前３０００年頃の青銅器文明の時代からはじまっており、エーゲ海の交易都市として栄えては滅びるという栄枯盛衰を繰り返した。トロイ戦争後も一旦滅びたもののイオニア人が植民し、マケドニア時代にはアレキサンダー大王が、ローマ時代にはイオニアス帝もこの地を訪れている。トロイ遺跡はそれら栄枯盛衰の跡が９つの層になって地中に埋まっており、シュリーマンの時代から現在も発掘が進められている。今に至る５０００年の歴史の舞台であるが、中途半端？な木馬が観光客用に建造されており、無料で中に入ったり、写真撮影が出来ることから、結構な人気となっている。

	栄枯盛衰の５０００年の歴史が発掘中である。トロイの木馬伝説は３０００年を超える昔の話であるが、アレキサンダー、イオニアス帝などという世界史の教科書にあった王様もここに来たといわれると、足跡が残っていそうな気がしてくる。
	このメンバーはせっかちが多いのか集合時間より１５分も前なのに集合してしまう。午後５時頃チャナッカレのコリンホテルに到着。向かいにあるスーパーで買い出し、２人それぞれの格安の上着を購入。ホテルに戻ってビュッフェスタイルの夕食。

トルコの電話カード。日本円の４００円ほどで、トルコ国内の、ほとんどどこの公衆電話からも国際電話ができた。通話料も安いのか、１５日間時折日本に電話したが、使い切れなかった。

トルコのホテル
トルコの多くのホテルでは、入り口に監視をおいて、宿泊客が飲食物をホテル内に持ち込むのを阻止している。もちろん取り上げて放棄させるというのではなくて、チェックアウトのときに客に返してくれるが、冷蔵庫内の高い飲み物を買わされるのは迷惑である。

３日目（チャナッカレ～ベルガマ経由クシャダシ）
本日よりサマータームから通常の時間に戻り、１時間余分に眠る。これで時差ぼけも解消？朝食後バスに乗るが荷物が２つ消えたという。同じツアー会社の別のグループの荷物に紛れたらしい。

ベルガマのアクロポリスに到着。コリント様式の神殿跡が残存する。１９世紀にドイツなどに主要なものは持ち去られている。


ベルガマの遺跡かつては、ペルガモンと呼ばれていた。アレキサンダー大王の死後広大な領土が分割統治されたが、ここは、リシマコスによって統治された。その部下であるフィレタイロスが財宝を継いでペルガモン王国を築き、その甥のエウメネス１世の時代に繁栄した。シリアと戦ってアジアにおける交易の権益を得、その富でギリシア文化をとりいれたアクロポリスの建設が次々と行われていく。コリント様式、イオニア様式の彫刻芸術が花開いたが、神と巨人たちとの戦いを描いた浮き彫りの像などはドイツに持ち去られ、ベルリンに展示されている。

遺跡の土産物屋さんは皆愛想がよい。「ダイエーより安い」とか、「バザールでゴザール」など、を連発。絵はがき１００円とか、皆さんお買いあげの模様。へなおじさんは、前立腺に効くという「ざくろ」のジュースを絞ってもらい２リラでガブ呑み。皮の渋味が少し残るも、甘くて美味。
トルコ石の店に行くも、買うものなし。

もう一度戻って、今度はアスクレピオンの見学だ。トルコ軍の基地の横にあり、陣地にはカメラを向けないよう注意される。


アスクレピオン紀元前４世紀から紀元後の４世紀まで８００年に亘り使われた古代の医療センターの跡である。患者は生け贄を捧げて参拝し、入浴して体を清めたという。神官は患者の夢判断を行い、治療法を示唆、つまり神のお告げをしたという。病は気からという事実がわかっていたというのは素晴らしい。脱皮するため再生＝生まれ変わるということから医療の神とされるヘビの彫刻、２０００年も前の人が入浴した風呂の跡、聖と俗を隔てる地下道などは感動的。

クシャダシという町までトイレ休憩１回をはさんで走り、ホテル着。このホテルにもパブリックのＰＣが置いてあり、メールで我が家の様子を確認する。

４日目（クシャダシ～エフェス経由パムッカレ）
９時に出発してエフェスに向かう。

	入り口は石がころがっているだけで、期待はしていなかったが、中に進むにつれてモザイクで化粧された通りや円形劇場、図書館の跡などの遺跡が目白押し。
	古代の人が使用した便器。隣の人と話をしながら用を足した由。便器の下は水路があり、水洗トイレのはしりでもある。トイレの前には噴水があり、音消しの役割も果たした？？

エフェスの遺跡
ヘレニズム時代に創建されたものが、ローマ時代に花開いた。２０世紀の初頭に発見された当時は破壊が進んでいたが１９７０年以降に修復が進み、今でも修復が続けられている。ヨーロッパの先進諸国に持ち去られなかった分、当時の遺構が良く保存されており、当時の広大な街並みの様子がよくわかる。

次に聖母マリアの家を見学。先日、山火事があり、広大な範囲の立木が焼失して、取り片付けの作業が進められていたが、聖母マリアの家の直前で鎮火している様子が良くわかる。マリアの奇跡は今でも生きているようだ。
昼は小さい串に牛肉を刺したシシケバブやトマトスープなど。
約３時間のバス旅行で温泉地、パムッカレに到着。
まずはビュッフェスタイルの夕食。現地のバアさんがナンを焼いていたが、チップを強要されたので、ヘソを曲げて払わず。
水着着用の上で温泉に浸かる。プールは２層に分かれており、大きなプールはぬるくてダメ。その上の小さなプールは温泉が上から流れてきて適温。日本人が大半で、出来れば水着など脱ぎたかったが我慢。温泉に水着は合わんぞ。

５日目（パムッカレ～アフロディシアス経由アンタルヤ）
近くのミナレットから聞こえるアザーンの詠唱で起床。外は大雨だ。朝食後８時に出発し、ヒエラポリスの遺跡を車窓に見ながらパムッカレの石灰棚に到着する。

靴を脱いで石灰棚に足を踏み入れる。温泉のはずなのに冷たい。水路のあたりまで行って水路に足を入れると確かに暖かい。観光写真で見ると、遙かに白い千枚田が続いているようであるが、実物はそうでもないところは、少し期待はずれ。


パムッカレ石灰石が温泉で解けて流れ出し、ゴミが溜まってヘリを形成、そのへりから温泉が流れ落ちて千枚田のような形状に形作られた。トルコ語で綿の城、白い千枚田である。周辺の開発が進んだためか温泉が涸れ始めており、温泉の流れをせき止めたり、観光客の出入りを厳しく制限している。石灰棚の脇にはパムッカレテルマルという温泉があり、温泉プールにローマ時代の本物の遺跡がゴロゴロしている。そこは長期滞在の西欧人ばかりであった。

バスでアフロディシアス遺跡に到着。雨がまた降り出してきた。びしょ濡れのノラ犬が我々を先導してくれる。留守番のクッキーを思い出してパンをあげる。１世紀頃に作られた３万人収容のスタジアムや、１万人収容の円形劇場などは世界的にも最も保存状態の良い遺跡とされており、雨の中、見学の価値あり。

昼食後アンタルヤをめざしてひた走り。アンタルヤまで３００キロは東京、名古屋間の距離。長い。

１７：４５ホテル着。本日から２連泊。下着の洗濯。風呂の栓がない。へなおじさん持参のストッキング入りゴルフボールも形状の関係でダメ。やむなく清水さん経由で手配してもらう。

６日目（アンタルヤ）
昨日の洗濯物早くも乾燥。朝食後メールのチェック。愛犬クッキーが夜泣きしているらしい。
朝食時に晴れていたが、出発時は土砂降りとなる。

	アンタルヤの街は昨日からの豪雨で川が氾濫、畑が水没している。クルシュンルの滝に到着、滝は水量豊富で茶色に濁っているのも大雨のせいか。しかし、オプション料金を支払ってまで見学に来るような滝ではないかもしれない。少なくても滝を見慣れている日本人には？
	次にアンタルヤの旧市街を丘の上からながめ、ハドリアヌス門から旧市街地に入り雨の中を散歩する。


アンタルヤアンタルヤは地中海沿岸で最も発展しているリゾート地のひとつ。アンタルヤ湾があり、夏は海水浴もできる。気候は温暖で欧米の観光客が多いという。もちろん日本人は慌ただしく通過していくだけ。

レストランでの昼食後自由解散。我々はオプションツアーに参加、アスペンドスの遺跡に到着。

	雨が激しく足下が滑ったが、紀元前２世紀に作られた円形劇場は小アジア最大の劇場で、今でも使われているとのこと。実に素晴らしい完成度だ。
	続いてペルゲ遺跡へ。ローマ帝国時代に栄えた都市で、浴場などの跡が残っている。遺跡巡りが続いて頭が混乱してくる。柱などの復元も進められており、お金を拠出した人のネームプレートなどがさりげなく貼られている。ただ、修復の大理石があまりに新しいのは少し興ざめ。

７日目（アンタルヤ～コンヤ）
６：００起床、メールのチェックをしてホテルの海岸沿いのテラスに出て地中海を眺めたあと、崖下に降りる階段があり、水辺の近くに降りる。波は荒いがとてもきれいだった。朝食後８時に出発。姉妹の２人旅の陽気なおばさん、今日はまたホテルに鍵を返し忘れる。
我々夫婦はバスの前の席を占領、コンヤまで、３２５キロの旅に備える。
標高１８００メートル地点を過ぎて下りになり、標高８００メートルのコンヤをめざす。カルスト台地が続き、羊や山羊を放牧している牧童が見える。元々のトルコ人は、アジアの遊牧民族なのだ。
昼は煮込み料理。パンはうまいが、ピデ（トルコのピザ）の肉はマトンで少しクセがある。
トイレ休憩のときに商店でサフランの袋入りを購入。日本円で４００円くらいというのは格安（すぎ）。
スペイン料理のパエリアに味付け色付けで使用されるサフラン。トルコでは栽培されているがほとんど食べないとのこと。そのためか価格は非常に安い。

	まずはメブラーナ博物館へ。ここはスカートをはいた男性が長時間回転しながら踊るので有名な、イスラム教神秘主義のメブラーナ教という宗教の教会なのだ。
	アタチュルクの命で宗教団体としては解散し、今は博物館として一般に公開されている。
	宗祖メブラーナの棺などが安置されていたりして神秘的である。ましおばさんも、着慣れぬスカーフをまとって神秘的？というか、不気味。


メブラーナ教イスラムの神秘主義の一派でスカートをはいた男性が長時間旋回舞踊をする宗教団として知られている。１３世紀にメブラーナが創設、アタチュルクによって解散を命じられた。メブラーナの棺には「あなたが無神論者でも、偶像崇拝者でも、拝火教の信者でも、私のもとに来なさい」という趣旨の碑文があるという。

本日はヒルトン系の立派なホテル。キャンペーン中でプールが無料というので張り切るが、頭痛で断念。
向かいのモールでチョコやピスタチオを購入。飲食物の没収をされないようバッグに隠してホテル潜入。

８日目（コンヤ～カッパドキア）
６時起床。朝食のクレープや、オムレツが美味。名物のヨーグルトもうまい。
今日は、走行ルートを計算、左側に席を占めて正解。景色も良くて直射日光も当たらない。
車窓からは日本で想像していたトルコの広大な大地が続く。地平線も見える。
バスの車内では喜多郎のシルクロードの音楽ＣＤの演奏、風景にぴったりで素晴らしい。

キャラバンサライという隊商宿に到着する。アジアとヨーロッパを結ぶ往時の商人の宿泊施設だ。

続いてはカイマクルの地下都市に潜入する。歩行時には背をかがめ、暗い中を進むことになる。

カイマクルの地下都市
カッパドキアのカイマクルにある地下都市。アリの巣のように地下にのびる迷路になっている。一時はイスラム教徒から逃れたキリスト教徒が隠れ家にしていた。このカイマクルの地下都市には２万人の住民が暮らしていたという。内部の通気口は各部屋に通じ、礼拝堂や厨房、食料庫、井戸などのあとが見られる。ところどころに、外部からの侵入者を防ぐ仕掛けがしてある。

ナスの煮込みやジャガイモサラダの美味しい昼食のあと、近くの洞窟住居に今でも住んでいるマグレブさんのお宅を見せていただき、チャイをごちそうになる。

カッパドキアのきのこのような岩をくりぬいた洞窟住居だが、夏は涼しく冬は暖かく、快適とのこと。もちろん電気ガス水道完備で、ＢＳのパラボラアンテナまで付いている。３８人が入っても狭さを感じないリビングルームなど、外から見るより中は広大で、家賃の４万円を大家である国に支払っているとのこと。

	洞窟住居の横では、ロバが暇そうに草をはんでいる。
	ギョレメの谷を見ながら、トルコ名物の延びるアイスクリームをいただく。味は少しくせがある。

今日は盛りだくさん。暗くなって地元のワイナリーを訪問、ワインの試飲。アルコールがダメなへなおじさんは、ヒマをもてあます。

夜になって洞窟ホテルに到着する。大枚をはたいてのオプションであるが、一生に一度あるかないかの貴重な経験。我々の部屋は皆さんの部屋より広大で、貧乏性のへなおじさん、落ち着きがなくなる。

洞窟ホテルを選択したのは３８人中ご覧の８名とカメラマン役のＪさんの計９名のラッキーさんたち。貴重な２晩を過ごすことになる。皆さん一度に仲良くなってしまって、アドレス交換会。Ｊさんご夫妻はへなおじさんのご近所さんであること判明。

食事もこのホテルオリジナル。パンで蓋をした壺割り。中の煮込みは肉がやわらかく美味。お米の入ったトマトスープ、ブドウの葉の塩漬けにくるんだ挽肉のヨーグルト添え、スイートのケーキやパイなどいずれも日本にはない、味わい。ましおばさん、ブドウの葉は、道明寺の桜の葉っぱを食べるか残すかの選択と同じだと、憎まれ口。

洞窟ホテルレストランで出されたメニュー

9日目（カッパドキア）

洞窟ホテルで近くのミナレットから聞こえてくるエザーンの詠唱で目が覚める。洞窟ホテルの中庭も趣がある。

朝食時も海外旅行の話で盛り上がる。それぞれの部屋を訪問しあい、写真撮影。８：２０バスが迎えにきて出発する。

	きのこのような奇岩群が独特の趣を醸し出す。背景はラクダのような形をした岩。そういわれると、確かに砂漠を行くラクダに見える。
	妖精の煙突とも称される多くの奇岩がどこまでも続いている。
	中には昨日訪れたマグレブさんのお宅のように、今でも人が居住していたり、倉庫などに使用されている岩もあり、窓が繰り抜かれている。


カッパドキアアナトリア高原中央部に広がる大奇岩地帯。妖精の煙突やキノコにも見える奇岩群が果てしなく広がっている。数億年前に起きたエルジェス山の噴火によって造られた、火山灰と溶岩の地層が雨などで浸食し、固い部分だけがキノコの傘のように残る形で独特の景観をなしている。凝灰岩は容易に掘削が可能で、しかもある程度の強度もあるため、キリスト教の修道者たちが人里離れたカッパドキアまで来て、岩山に穴を穿ち、住居や礼拝堂を造りあげた。岩の中をくり抜いて造っているため外からはこれが住居とは思われないが、教会だけでも千を超えるというから驚き。イスラム教徒の迫害の際には安全確保のためのカモフラージュにもなったという。

次におなじみの絨毯工房へ。多くの織り子さんたちが、時間をかけ手間をかけて絨毯を織り上げている。

広い部屋に豪華な絨毯を次々に広げて見せてくれるのは良いが、我が家には絨毯を敷くような部屋はありませんぞ。しかもほこりがひどくて早々に部屋を退散し、チャイを飲んで皆さんのお買いあげを待つことになる。

昼食は洞窟レストランで「花嫁スープ」と「鱒のグリル」美味。

レストランを出てアクオスの街を散歩。途中花嫁さんがいて、ツアー客で祝福、金物屋のおじさんも、観光客に薪ストーブの構造などをトルコ語で説明してくれる。日本－トルコの友好風景が見られてみんな笑顔。

日本の子供は受験戦争で笑顔はないが、トルコの子供たちは皆陽気で人なつこい。小学校で英語の勉強をしていると見えて、日本人観光客に英語で、イギリス人か？どこから来た？おまえの仕事は何だ？など、遠慮なく質問してくる。とてもイギリス人には見えない「へなおじさん」、From Japan.No job.などとまじめに答える。ここでもトルコとの親善外交。

	次に陶磁器の工房へ。店主の「アインシュタイン」そっくりさんの指導を受けながら皆さんがロクロの体験。
	きれいに彩色された多くの陶磁器が販売されている。レストラン経営のＳさん、お店で使う食器類を大量にお買いあげ。ワレモノを日本に運ぶのは大変だ。

１６：３０ホテル着、夕食はパイ包みと、白い豆の煮込み。美味で完食。へなおじさん、風邪で咳がでる。

１０日目（カッパドキア～アンカラ）
５：００アザーンの詠唱で目覚める。イスラムの目覚めも慣れてきた。朝食後７：４５出発。少々雨模様のカッパドキアをあとにして、トルコの首都アンカラを目指す。

トイレ休憩のあたりから雨が雪にかわり、１１：１５の早めの昼食時には吹雪に変わる。昼食はニンジン、ジャガイモのスープ、チーズパイ、ケバブ、ライスプリン、ヨーグルト。
風雪強く、ノーマルタイヤのバスで大丈夫か？先日の事故のようにスリップして転覆しないか？皆心配する。途中何台もの大型トラックが転覆し、渋滞もしていたが、なんとか首都アンカラにたどりついたときには雪も小康状態。

トルコの父、アタチュルクの霊廟は堂々とした大きな建物だ。こういう霊廟は、中国（毛沢東）やベトナム（ホーチミン）、台湾（蒋介石）などの共産国家や独裁国家の象徴でもあるのだが、まさにアタチュルクが初代大統領になって政治改革、宗教改革を断行しなければ今の民主トルコはなかったわけで、独裁というより、民衆の尊敬、敬愛がこういう霊廟を建設したものなのだろう。

雪の寒さに備えるためか、夏の暑さにも耐えるためか、霊廟を警護する衛兵さんはガラスケースに入っている。少し手抜き？

あまりの寒さに霊廟内の喫茶店に入りチャイを飲んで体を温める。
次にアナトリア文明博物館の見学。多くの出土品が展示してあり、なかなかの見応え。


アナトリア文明博物館もともと隊商宿として建てられ、１５世紀には貴金属の市場として利用されていたものを博物館に改造した。紀元前２０００年頃、このアナトリアの地にあったヒッタイト帝国時代の遺物を中心に、旧石器時代からギリシャ、ローマ時代までの貴重な出土品を集めた世界に誇る博物館である。同行のヒゲのおっさん、カメラマンらしいが、見物が長すぎると文句は一人前。トルコはこういう歴史の宝庫。歴史をおとなしく勉強しなさい。

ホテルには１６：３０到着。夕食はサラダ、マカロニ、ナスのトマト煮。

１１日目（アンカラ～サフランボル）
５時、エザーンの詠唱でいつものように目覚め。ビュッフェの朝食の後８：００出発、ガイドの清水さん、昨日は挽肉にあたったらしく、体調を崩してガイド席でお休み。鬼の霍乱というと失礼かな？でもガイドさんという仕事は大変だ。とても我が娘では務まらない。
などと考えていると１１：００頃世界遺産のサフランボルに到着。

早めに到着したのでバスでフドゥルルックの丘に登りサフランボルの街並みを一望する。世界遺産の街並みは見事である。

昼食はホテルのレストランでサラダ、スープ、キョフテ（挽肉スープトマトソース煮）、ごはん、デザートのりんごとみかん。
昼食後各自にホテルの部屋割り。古い世界遺産の街だから高層のホテルはない。従って木造の２階建ての古びたホテルなのだ。これがまた情緒があってなかなかよろしい。でも、湯船はないし、シャワーのお湯もぬるいし、隙間風はあるし、サフランボルだから許せるのだ。

世界遺産の街並みを散歩しながらお買い物。サフランボルの名前の由来となったサフランや干したいちじく、ピスタチオなどを量り売りで購入。
また日本の「ゆべし」のような食べ物も美味で、ロウの巣に入ったままの「はちみつ」とともに購入すると、２階の喫茶店に上げてくれてチャイのサービス。同行のＪさんご一行様とも合流しておしゃべり。

ここでも子供たちに取り囲まれて、どこから来たのか、何で生計を立てているのか等の質問攻め。

１５：３０ホテルで昼寝。１８：４５夕食開始。インゲンと肉の煮込みやピラフなどの郷土料理。
シャワーがぬるいのであきらめて、朝まで寝る。

１２日目（サフランボル～イスタンブール）
５：００起床、世界遺産のホテルは寒いなあなどと言いながら窓の外を見ると小雨。朝食後７：００出発予定とのことでバスに行くと、皆さんもうご乗車。せっかちさんが揃ったご一行様なのだ。
イスタンブールまでの４００キロをひたすら走る一日の始まりだ。一般道、高速道路などを通り昼にはイスタンブールに到着する。

まずはブルーモスクの見学。正式には「スルタン・アフメット・ジャーミィ」６本のミナレを持つ壮大なモスクだ。平山画伯のブルーモスクは某保険会社の役員室や瀬戸内海、生口島の平山郁夫記念館で見たが、実物はもちろん初めて。

	中庭から見上げても、とにかくデカい。
	次にアヤソフィアへ。ビザンツ建築の最高傑作と称せられるだけに、これもすばらしいモスクである。もともとは、ギリシャ正教の大本山で、後にイスラームのスルタン、アフメト２世によってコンスタンチノープルが陥落、イスラム教のモスクであるジャーミィに改造された。さまざまな宗教が去来した建物であるだけに、イスラムでは禁止されている偶像が描かれた絵画も残っており、キリストやヨハネ、マリアなどが描かれたモザイク画の往時の輝きを取り戻す作業も進められている。異教徒にも寛容なトルコの姿勢がここでも見られる。
	次に観光船に乗船、ボスポラス海峡のクルーズに出発。アジアとヨーロッパをつなぐ長大な釣り橋の下を通過。
	下船してこんどはガラタ塔にエレベータで登る。ここで夕暮れとなる。遙かに見えるモスクのシルエットがきれい。

日没後にグランドバザールへ。宝石、貴金属などのお店や衣料品店が立ち並ぶ。人通りも多いが、スリも多いという。

夕食後２０：４５ホテル着。アメリカ系の立派なホテルで枕もデカい。

１３日目（イスタンブール）
６：００起床。立派なホテルの割にはレストランの従業員の数が少なく、オレンジジュースを注文したのに最後まで出てこない。日本に電話してお互いの安否の確認。

まずは地下宮殿の散歩。００７シリーズの中の「ロシアより愛を込めて」でジェームスボンドがモーターボートを乗り入れた地下水路だ。映画ではボスポラス海峡まで通じていたような感じであったが、モーターボートの乗り入れも不可だし、もちろんボスポラス海峡とは通じていない。ローマ時代の貯水池であり、ギリシャ建築の柱などを流用しているために、メドーサの塑像が逆さまに利用されている部分などは不気味である。

次にトプカプ宮殿の見学。ハレムの陶磁器のタイルは見事である。でも、こんなところで暮らした人たちは本当に幸せだったのだろうか？

外に出てボスポラス海峡や金角湾を見る。天気も良く、遠くが見渡せる。国際海峡であるボスポラス海峡は世界中の豪華客船などが通過する。

ふたたびトプカプ宮殿に戻り、宝物館などを見学する。８６カラットのダイヤモンドなどは大きすぎて、むしろガラス玉に見える。

自由行動組と合流し昼食は温室みたいなレストラン。
次にトルコ軍事博物館まででかけて、トルコ軍楽隊の音楽を鑑賞。向田邦子の阿修羅のごとくのテーマ曲になったために有名なメロディーは、オスマントルコの軍隊行進曲で、周辺諸国を恐れさせた。

渋滞を抜けてタクシム広場やイスティクラル通りを散歩して一度ホテルに戻り、再集合してレストランに向かう。

民族楽器を持った陽気な楽団が、ウシュクダラなどの日本人にも知られているトルコの曲を弾き語る。チップの強要に、少しは協力せざるを得まい。

ベリーダンスの鑑賞の人を劇場まで送って、２１：００過ぎホテルに戻り就寝。我々はもちろん、ベリーダンスはパス。

１４日目（イスタンブール～タシケント経由で機上の人）
きのう注文して飲み損なったオレンジジュースを今朝も注文。フレッシュで美味。トルコで購入したテレホンカードに余りがあるので、日本に安否の最終確認をしてからテレビを見ながらごろごろ。トルコでは春夏秋冬のすべての季節を１５日間で経験したが、いよいよ今日でお別れだ。

最後にトルコのトイレのお話。日本のような便器もあるが、キンカクシはなく、しかも入り口に向かって用を足すような構造になっている。左手側には水道とバケツがあり、不浄の手である左手でお尻を洗い流すことになる。従って紙はないのだ。合理的といえば合理的。

腰掛け型の便器も当然ある。ホテルのトイレはこのスタイル。しかし公衆トイレなどでは紙は置いてない。ウォシュレットのようなものから水が流れ出る構造になっており、その水を左手で受けてお尻を洗うというのが、正しい使い方と教えてもらった。手はあとで洗えば良いから合理的といえば合理的だが、直接素手でお尻を洗うというのは最初はとまどう。

８：３０出発、イスタンブール国際空港では通関はすんなり。ただ、イブさんにゆっくりご挨拶ができなかったことが心残り。小銭をなくそうと、わけのわからないタバコを買うと益々小銭が増える。ユネスコのチャリティボックスなどを探すもこれが、見つからない。
順調に飛行して１９時過ぎトランジットのタシケントに到着。

１５日目（タシケント～成田）（最終日）
２２：３０タシケントを離陸成田に向かう。ウズベク人の親子連れが我々の前の席に。離陸時にシートベルトは外すは、背もたれを倒すは、トマトジュースをこぼすは、鼻血は出すはで大騒ぎ、
あまり眠れず１０：１０成田に無事到着。今回も日本そばが食べたいと酒々井のＳＡに立ち寄ると、ここでツアーでお友達になったＪさんご夫妻とＨさんとご対面。
今回も楽しい旅でした。

	８：００にバスで出発。エアサスペンションの大型高級バス。但し夏用のノーマルタイヤ。今回の旅の途中で大雪に見舞われたが、冬の旅ではスタッドレスを履いてほしい。マルマラ海をながめながらしばらく走行、煉瓦色の屋根がきれいな街並みや北海道のような広大な畑も見える。
	添乗の清水さん（右）と、ガイドのイブラヒム（通称イブ）さん（左）。清水さんトルコ語は無理だがイタリア語、英語はペラペラ。イブさんはスキンヘッドのハンサムなトルコ人ガイド。日本語はかなりの腕だが、「おでん」特に外国にはないダイコンやコンニャクのような素材や、昆布だしで煮た独特の味は想像すら出来ない様子。
	フェリー乗り場の近くで昼食。サバの揚げもの、サラダ、スープ、バターライス、パンと美味。デザートはりんご丸ごと１ケとナイフにびっくり。昼食後外にでると、アタチュルクの像の前で兵士が整列し国歌の演奏中。明日がトルコ共和国の日とのことで、その祭典の模様。フェリーに乗船してダーダネルス海峡を渡る。